2012年4月22日日曜日

手打ち?

前回、僕の「やりたいこと」として「麺棒での製麺作業」を挙げました。

http://meriken-udon.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html

いわゆる「手打ち」です。

素人でもプロでも、殆どの方が麺棒で生地を延ばす工程の事を
「手打ち」と表現すると思います。

でも僕は「手打ちうどん」を名乗るつもりはありません。

そもそも「手打ち」の定義とは何でしょうか?

消費者庁と公正取引委員会が認定している
「生めん類の表示に関する公正競争規約」の第4条に
書かれている事をざっくりまとめると、


「生めん類の表示に関する公正競争規約」(PDF)
http://www.jfftc.org/cgi-bin/data/bunsyo/A-14.pdf


・手打
小麦粉と水を混ぜたり練ったりする工程のみ機械OK

・手打式、手打風
生地をゆっくり延ばし、包丁に近い切り方をする製麺機を使うこと

こんな感じです。

「手打式うどん」とか「手打風うどん」を名乗っている店があるでしょうか?

僕は見た事ありません。

「手打ちうどん」を名乗っている店は沢山ありますが、規約に則っている店は
かなり少ないのが現状です。

というか、この規約を知っている人自体が少ないと思います。

誤解しないで欲しいのは、僕はこの規約を守れと言いたい訳ではありませんし、
正しいとも思っていません。
また、機械製麺を否定しているわけでもありません。

ただ、節操のない人達が「手打ち」表示を濫用する事によって、
消費者の方も「手打ち」表示の信憑性をアテにしなくなり、
「手打ち」表示や言葉が無意味になっている事が嫌なんです。

体に負担がかかり、時間もかかるにも関わらず、
信念を持って全行程を手作業で行なっている職人が報われない事が嫌なんです。

「手打ち」という表示はそういう職人たちの特権であるべきだと思います。

僕の店の場合は水回しと麺切りに機械を使用します。
一般的に言われる「手打ち」工程(麺棒で生地を延ばす)は行いますが、
「手打ち」は名乗りません。

本当の意味での手打ち職人に敬意を表して。




余談ですが、「手打ち」という言葉は江戸時代には存在していたそうです。
江戸時代には製麺機は存在していません。
では「手打ち」を名乗る意味は?

諸説あってなかなか面白いので興味がある方はググって見て下さい。

2 件のコメント:

  1. 「手打ち」・・・・私も同じように考えていました。

    自分なりに検証した過去記事です。
    □「手打ち」の表記を考えてみた -1-
    http://kochiudon.blog93.fc2.com/blog-entry-1065.html
    □「手打ち」の表記を考えてみた -2-
    http://kochiudon.blog93.fc2.com/blog-entry-1066.html

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    1. おお!ほぼ同じ事を書かれていますね。
      同じ様に考えている人が居るのは嬉しいです。

      手打ちだろうが機械だろうが、うまいものはうまいし
      まずいものはまずい。

      自分のうどんに自信を持って正々堂々と商売して欲しいですね。

      僕を含め機械を使って楽をしている人は手打ちに比べ確実に楽を
      しているんだから、最低限のマナーは守って欲しいと思います。

      お客に嘘を付く経営者が多い業界なんておかしいですよね。

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